中山芝1600mの考察
中山芝1600mで行われた、先週日曜日の東風S("コチ"と読む)。超SP・前残りの展開を大外から差し切ったグレーターロンドンの強さが印象に残りましたね~(>_<)。
安田記念に出てきても普通に勝負になりそうなので、参戦を期待したいところ(*'▽')。
当コースは重賞では、NHKマイルC前哨戦のニュージーランドT(GII)や、ターコイズS・京成杯AH(共にGIII・ハンデ戦)、桜花賞トライアルのアネモネS(OP)など、大きなレースはないものの、波乱含みのレース・重要なステップレースが数多く行われているコースです。
①中山芝1600mの独特なコース形態
画像を見てもわかるように、丸っぽくて三角形のような形状をしているコースです。
それに関連して、中山芝1600mは「外枠が不利なコースである」と言われ続けてきました(まっすぐな箇所は内外どこを走っても同じ距離だが、曲線箇所は外を走ればその分多くの距離を走る必要が出てくるので、曲線が比較的多い当コースは外追走による距離ロスを生みやすいため)
(朝日杯FSという当コース唯一のG1が阪神に移行したこともこの影響が強いと言われている。2歳とはいえチャンピオンを決めるレースで、運の要素(枠順)が多く絡むのは良くないよね~的な発想)。
一昔前(2000年~10年)の当コースでの枠順別成績を見てみると、確かに外枠の回収率が全体的に落ち込んでいることがうかがえます(7・8枠は特に不利)。
②枠番傾向
しかし最近は……、全然そんなことありません(ー_ー)!!
最近約2年の枠番別成績を見てみると、内外による成績にあまり差はありません(少し内めの方が有利そうな気がしなくもない…)。
不思議な話ではありますが、事実として外枠不利ではなくなっています。(某予想家は、『ゲートが斜めに配置され、外枠がスタートで数歩アドバンテージを貰っているから』と言っていたような、いなかったような………。真実は如何に?)
「中山芝1600は内外不問」であること自体に意味はありませんが、いまだに「中山芝1600は外枠不利」だと覚えている人も一定数いると思います。そのなかで「そうではない」ということを知っていれば、それだけで相対的に一歩リードできますね‼
③種牡馬傾向
次は種牡馬傾向を見ていきます。当コースの上位6位は表の通り。
ディープインパクト強し(>_<)
以下もリーディング上位が並び、アドマイヤムーン、マツリダゴッホといったやや短距離馬を出しやすい種牡馬が5〜6位に名を連ねています。
1位ディープインパクトについて掘り下げてみると、クラスが低いほど好成績、高いほど低成績になっています(最下部は平場レースor特別レース。クラスの高低を分けるのに使いやすいため記載)。
一般的に、クラスが低くなるほど地力の能力が求められ、ハイレベルになるほど適性の向き不向きが求められます。(予想する立場から見れば、クラスが低いほど指数や前走着順などの"能力指標"が結果と相関しやすく、クラスが高いほど血統・同コース実績などの"適性指標"が結果と相関しやすくなる。)
ディープインパクト産駒がハイレベルなメンバー相手に低成績ということは、(適性的に)「中山芝1600はディープインパクトに向いていないコース」である、ということが考えられます。
それに対して、全体リーディングの割に健闘している(=このコースが得意な)アドマイヤムーン・マツリダゴッホは先ほどのディープとは真逆の成績を残しています(低レベル相手よりハイレベル相手に好成績)(複勝率・複勝回収率で)。
適性的にはアドマイヤムーン産駒やマツリダゴッホ産駒など、「スピードの持続力に長けたタイプ向きのコース」である、と言えます(念のため付け加えておくと、低レベルで多く発生する超スローペースからの末脚比べになると不向き)。
アドマイヤムーン産駒(代表馬:ハクサンムーン)やマツリダゴッホ産駒(代表馬:ロードクエスト)は、短距離寄りの産駒が出やすく、また(一般的?な言い方をすれば)、(ディープインパクトより)長く良い脚が使えるタイプが多く出ています(その分一瞬のキレ・最高速度勝負では分が悪い)。
クラスが上がればペースも流れるので、ハイレベルなメンバー相手の淀みないペースでは、(前述後者の)長い脚タイプ(ムーンやゴッホ)が狙いどころになってきます。ディープインパクト産駒は、最高速度比べなら負けませんが、曲線が多い当コースではトップスピードに乗りにくく地の利に欠けます。
④前走脚質傾向
最後に脚質別成績を見ていきましょう。
速い上がりを使える(差し)馬の回収率が優秀です。(実際のレースでの上がり3Fが良い馬が好成績になるのは当たり前なので、「前走で速い上がりを使えている馬が今回も速い上がりを使える確率が高い」ことを前提に、前走の上がり3Fを「今回末脚を使える馬の推測値」として使用しています)
前走で上がり2位以内を記録していた馬は単勝回収率が100%を超えています。
前走上がり2位以内の馬の中でも、その前走で2-3着と少しだけ届かなかった馬は、単複回収率が共に100%超・複勝率50%超と、ニヤニヤしたくなるデータ。
前走の3コーナーの位置取りで見ても、(1番手(=逃げ馬)の成績はよいですが、)先行・差し・追込に大きな差は見られません。道中の位置取りよりは、最後の末脚の重要性が高いコースだと言えそうです。
東風ステークスの読み方だけでも覚えてくださいね!